先日、建築関係の友人から、レンガ・タイルを張ってある
輸入住宅の外壁の内側がボロボロになっているのだが
どうしたらいいかという相談があった。
話を聞くと、構造体の構造用合板の上にラスカットと
呼ばれるモルタル下地材が直接張られていて、そこに
接着剤としてモルタルを塗ってからスライス・ブリックを
上に張ってあるという。
下地や目地に使われるモルタルは、セメントと砂を混ぜて
作られているから、雨が当たれば中に染み込んでしまう。
それが長い期間繰り返されると、モルタルにクラックが
入って水が侵入する経路が出来る。
ラスカット自体も薄いベニヤ板だから水に弱く、長年晒される
とカビたり腐ったりして、その内側にある構造用合板をも
同様に劣化させてしまうのだ。
その家は、湿潤となったその場所に、更に黒アリが侵入して
巣まで作っていたというから、驚きだ。
シロアリでなかったのは、まだましと言えるのだが、
構造用合板の上に胴縁と呼ばれる桟木を打って通気層を作り、
面倒だがその上にサイディングを張って、それからレンガ・
タイルを張るべきだろう。
レンガ・タイルだけでなく、南欧風のコテ塗り仕上げの
モルタル塗りやジョリパット塗りも同様に手間を掛けなければ
同じトラブルに見舞われるかも知れない。
もしそうなったら、補修の費用は2~3倍掛かることになる。
新築時に見栄えが同じなら、コストダウンした業者を選ぶ
という考え方が一般的だろうが、手を抜けば費用も削減出来る
ことを忘れてはいけません。また、その代償も自身で負担
しなければいけないのです。
どういった仕事をする業者なのかは、一般の皆さんには
分からないかも知れませんが、ホームページやブログで
どれだけ情報公開しているか、どんな考え方で家づくりを
しているかを見極めることは可能です。
家づくりにはお金が大切ですが、それよりも心や日々の
努力が重要ですね。
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外壁材の直貼りは、リスクが高い
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