
外壁にレンガを使いたいというのは、輸入住宅や高級住宅を
建てたいという人の要望であることが多い。
日本人に人気のフランク・ロイド・ライトが設計した建物でも、
レンガが使われるケースが多いことも、憧れを抱く要因なの
かも知れない。
犬山の明治村にも保存されている旧帝国ホテル本館の正面玄関も
そうした彼の作品であることは言うまでもない。
そんなレンガの外壁だが、今日本で行われている施工の殆どは、
薄いスライス・ブリックを外壁面に張り付けた「レンガ張り」。
ライトが設計した頃のように、レンガを積んで外壁を造るなんて
ことは時間も手間も掛かるから、絶滅してしまったと言っても
過言ではない。
まあ、そんな「レンガ積み」を続けているうちの会社は、
絶滅危惧種ですなぁ~(笑)
でも、旧帝国ホテルや東京駅のレンガ積みは、関東大震災でも
全く崩れたりしなかったんだから、その耐震性は折り紙付き。
レンガ・タイルより数段重い本物の積みレンガの建物が、
どうして地震に強かったか?

それは、「レンガ張り」が建物の構造に張り付いて、構造体に
大きな負担(重量)を掛けるのに対し、「レンガ積み」は
建物外壁の外側の基礎の上にレンガを積むので、構造体には
1gも重量負荷が掛からないからなんですね。(計算表参照)
現在一般的な「サイディング張り」の外壁も「レンガ張り」と
同様に構造体に張り付きますから、こちらも相当な負担です。
他にもいろいろなメリットがありますが、それはまた次回。
レンガ積みの家は、費用以上の価値があります。