2013年夏に発刊された「建築知識 ビルダーズ No.13」の
ダイジェスト版を頂いた。
その巻頭の記事で編集長が面白いことを書いていたので
ご紹介したいと思う。
数年前から、「モノ売り」から「コト売り」に商売のトレンドは
変化してきているという。つまり、価格で価値が決まる
大量生産型の住宅の売り方を「モノ売り」と称して、それに対し
家族のコミュニケーションや生活の豊かさなど、価格では
表すことが出来ない価値を謳った家を「コト売り」というそうです。
住み手の暮らしに耳を傾け、アイデアをひねり出し、それを
プランに反映させる、ビルダー(プランナー)の結晶こそが
価格で表現出来ない価値、まさに「コト売り」だという。
話は変わってある方が、「身の回りの「断熱」を「壇蜜」に置き換えて
みて下さい」と言ったそうです。その時の一言が、「日本の住宅の
壇蜜性能は低い!」ということでした。
それって何?となる訳ですが、彼は「癒しと官能」と言ったそうです。
住宅の癒しと官能。本能に訴える力とは?
静かで落ち着きのある空間。そこに差す自然の光や照明器具が
作り出す壁や天井の陰影。
本能に訴える力とは、その部屋の空気感を作り上げる力だと
筆者は結論付けていました。
単に住む為の箱と考えれば、安い「モノ売り」の住宅で十分だろう。
でも、今の日本人には壇蜜性能が必要な気がする。そういう性能が
不足した家は、長く愛してもらえないような気がします。
私たちの家づくりでも、「癒しと官能」を感じて頂きたいものです。
価格や見積には反映されないデザインやセンス、素材感って、
本当に大切ですね。
それが分かるようになる為には、本物を知るしかありません。
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日本の家に不足しているもの
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