釘でなく、ビスで横張りされた石膏ボード(テーパーボード)。
(釘だと将来抜けてきて、丸い釘の頭が顔を出します)
ボード張りの後、紙で出来た専用のドライウォール・テープを
施工した様子がこちらです。
バズーカと呼ばれる専用の道具を使うと、テープの両面に
石膏のパテが塗られた状態で、道具の先端のローラー部分に
押し出されてきます。
それを石膏ボードのジョイント(つなぎ目)に自動で張ることが
出来るように作動します。
これで、石膏ボードとテープとを天然石膏のパテで接着する
こととなります。石膏ボードの表面も紙ですし、テープも紙。
天然石膏のパテなら、この紙という素材と化学反応を起こして
一体化していきます。
こういうことは、国産の化学石膏のパテではうまく出来ません。
だから、北米からパテも輸入しているんですね。
また、紙のテープは、強度を出す為に厚手のものとなっていますし、
パテも十分載らなければジョイントを強化することは出来ません。
だから、石膏ボードの端っこが少し凹んだテーパーボードを
使うんですね。
この凹みがあるから、パテやテープを入れても壁を平らな状態に
保つことが可能となります。
この状態で1日乾かしますが、これで完了ではありません。
次の日、もう少し広い幅で石膏パテを薄く盛ります。そして、
また1日置いて乾いてから、更に広い幅で再度石膏パテを薄く
盛ります。
何故一度にパテを厚く塗らないかって?それは、車のワックスと
同じで、薄く塗って乾かさないと、表面だけが乾いて中身が
しっかり乾かず、剥がれやすくなるからです。
最終パテが乾く次の日に、盛り過ぎたパテを削り取って、壁や天井を
ほぼ平らな状況にもっていきます。これをサンディングと呼びます。
そして、テクスチャーと呼ばれる石目の模様付けを行ってから、
最後に水性のパラペイントで塗装を3回(下塗り1回、上塗り2回)
して、ドライウォールの施工は完了です。
どうでしょう、すごい手間・暇を掛けているでしょ!
天然石膏ですから、自然と乾くまでに時間が掛かります。
ですから、全行程をこなすのには2~3週間を要します。
ただ、その強さや美しさは、手間やお金を掛けただけのものが
あるんですねぇ。
お客さんの目を盗んで、材料や作業を簡易にやることは出来る
かも知れませんが、ホームメイドの理念が許しません。
それこそ、私のプライドであり、ホームメイドの輸入住宅という
ブランドだと思います。でも、この作業は、北米では普通の
仕事ですよ(笑)
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ドライウォールの下地処理は、一度で終わらない
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